Column
お役立ち情報
「新しいお客様との接点を増やしたい」
「既存顧客や紹介だけに頼り続けるのは不安」
「営業はしているものの、なかなか次につながらない」
そうした思いから、これまで取引のある会社や知人に声をかけたり、展示会や商談会に参加したりしながら、新しい取引先との商談機会を作ろうと動かれていた製造業のお客様がいらっしゃいました。
せっかく商談まで進んでも、条件や価格が合わず、受注につながらないこともある。
そこで、「もう少し効率よく商談機会を増やせないか」「営業だけではなく、Webも活用できないか」というご相談をいただきました。
一方で、Webを活用したい気持ちはあるものの、「記事を書き続けるのは難しい」「SNSを毎日更新するところまでは手が回らない」「アクセス数を追いかけるような運用をする余裕はない」という現実的なお話もありました。
製造や品質管理、営業対応を行いながら新規開拓も考えなければならない中で、継続的に発信を続ける運用は現実的ではないということでした。
では、そうした会社にとって、Webはどのように活用できるのか。
私たちは、製造業では多くの人に広く知られることよりも、自社の技術や考え方を必要としている相手に見つけてもらうことが重要なのではないかと考えています。
届けたい相手や伝えるべき価値が明確になっていれば、Webは新しいお客様との接点をつくる手段になり得ます。そう考えると、製造業とWeb活用の相性はいいのではないかと考えています。
この記事では、小さな製造業がWebを活用して新しいお客様と出会うために、まず整理しておきたい考え方についてまとめました。
営業や紹介は、製造業にとって今でも大切な接点です。
既存のお客様との関係があり、紹介があり、これまでの実績を見て声をかけてもらえる。
そうしたつながりによって仕事が生まれてきた会社は多いと思います。
ただ、その一方で、紹介や既存顧客だけに頼り続けることに不安を感じると言った声も少なくないかと思います。
取引先の方針が変わる。担当者が変わる。発注量が減る。これまで声をかけてくれていた会社からの依頼が少なくなる。
そうした変化が起きたとき、新しいお客様との接点をどう作るかが課題になります。
もちろん、営業活動や展示会、商談会に参加することは有効です。
実際に顔を合わせて話せることは、製造業にとって大きな強みでもあります。
ただ、営業だけで接点を増やそうとすると、どうしても時間や人手に限界があります。
毎回ゼロから会社の説明をする。技術や対応範囲を伝える。どんな仕事が得意なのかを説明する。
価格や条件の話まで進める。まずは使ってもらう。
これを少人数で続けていくのは簡単ではないようです。
だからこそ、Webを「営業の代わり」としてではなく、新しいお客様に事前に知ってもらうための接点として考えることが大切になります。
まだ会ったことのない相手に、何を製造している会社なのか? 何が得意なのか?
どんな仕事を大切にしているのか? どんな相談なら声をかけてよさそうなのか?
そうしたことを、商談前に伝えられる状態をつくる。
それが、小さな製造業にとってのWeb活用の第一歩になるのではないかと思います。
Web活用では、アクセス数を増やすことが大切だと言われます。実際、見られなければ何も始まりません。分母が増えれば、問い合わせの可能性が上がると考えるのも自然です。
ただし、アクセス数はあくまで入り口です。
自社の技術やサービスを必要としていない人をいくら集めても、問い合わせにはつながりにくいでしょう。極端に言えば、必要としていない人には、どれだけ安くしても、場合によっては無料で提供しようとしても、断られてしまうことがあります。
大切なのは、ただ多くの人に見られることではありません。
自社の技術やサービスを必要としている人に見つけてもらい、「ここなら相談してみたい」と思ってもらえることです。
特に製造業の場合、何となくサイトを見て、偶然問い合わせるというよりも、すでに目的や課題を持って探している人が多いはずです。
例えば、ネジや部品加工の依頼先を探している人は、
ただ眺めるために検索しているわけではありません。
失敗できない案件がある。社内で説明できる取引先を探している。品質や納期で困りたくない。
相談に乗ってくれる会社を探している。といったように目的があるはずです。
だからこそ、特に製造業のWeb活用では、アクセス数を増やすことだけではなく、「この会社なら相談してみよう」「この案件を任せられそう」と思ってもらえる情報を届けることが重要なのだと思います。
Webで新しいお客様と出会いたいと考えたとき、まず整理したいのは、「何を理由に相談してもらいたいのか」です。製造業といっても、強みは会社によってさまざまです。
高い技術力を持っている会社もあります。
安定した品質を強みとしている会社もあります。
小ロット対応に価値がある会社もあります。
試作段階から相談に乗れる会社もあります。
ただ、発注担当者が見ているのは、技術や設備そのものだけではありません。
「この会社なら話が通じそうか」「自分たちの仕事を理解してくれそうか」
「困ったときに相談できそうか」「社内で提案しやすそうか」
そうしたことも、実は大きな判断材料になっています。
例えば、「妥協なき品質」という言葉があります。
ただ、この言葉だけでは、どの会社にも当てはまりそうに見えてしまいます。
しかし、その品質への考え方が、誰にとってどんな安心につながるのかを整理すると、伝え方は変わります。ある案件では、その品質へのこだわりが、航空宇宙分野の開発担当者にとって大きな意味を持ったそうです。
品質が高いこと自体も重要ですが、それ以上に、「この会社なら安心して社内提案できそうだ。」「難しい案件でも真剣に向き合ってくれそうだ。」そう感じてもらえることが、相談のきっかけになったのです。
新しいお客様との最初の接点で必要なのは、技術を評価してもらうことだけではありません。まずは、「この会社なら、一度相談してみよう」そう思ってもらえる理由をつくることなのだと思います。
新しいお客様に相談してもらうためには、設備や加工内容、対応範囲を掲載することも大切ですが、それだけでは、「この会社に相談してみよう」と思う理由にまでは至らないことがあります。
製造業の仕事には、数字やスペックだけでは伝わりきらない部分があると聞きます。
なぜ、その品質にこだわっているのか。なぜ、その工程を大切にしているのか。
どんな案件なら力になれるのか。どんな相談なら歓迎したいのか。
こうした仕事への考え方や姿勢も、初めて会社を知る人にとっては大切な判断材料になります。
特に、まだ取引のない相手にとっては、会社の内側は見えません。
設備があることは分かる。実績があることも分かる。
しかし、「この会社は、自分たちの仕事を理解してくれそうか」「困ったときに相談できそうか」「仕事の進め方が合いそうか」そこまでは、設備一覧や会社概要だけでは判断できません。
だからこそ、Webサイトでは、できることを並べるだけではなく、仕事への考え方や対応の姿勢まで伝えることが大切になります。
一般の人に広く伝える必要はありません。
むしろ、「この会社なら分かってくれそうだ」「まずは話を聞いてみたい」そう感じてもらえる相手に届くこと。それが、小さな製造業のWeb活用において、大切な役割なのだと思います。
Webを活用するといっても、ホームページが営業の代わりになるわけではありません。
特に製造業の場合、最終的には図面や仕様、数量、納期、品質条件などを確認しながら、個別に話を進める必要があります。
だからこそ、Webだけで完結させようと考えるよりも、商談前の理解を助ける接点として考える方が現実的です。
例えば、初めて会社を知った人が、事前にホームページを見る。
どんな加工に対応しているのか。
どんな仕事を大切にしているのか。
どんな相談なら声をかけてよさそうなのか。
そうしたことが分かれば、商談に進む前の不安は少し減ります。
また、営業や紹介でつながった相手にとっても、ホームページは確認材料になります。
紹介された会社がどんな会社なのか。
自分たちの案件に合いそうなのか。
一度話を聞いてみる価値がありそうなのか。
その判断を助ける情報があれば、商談の入り口も変わってきます。つまり、Webは営業をなくすためのものではなく、営業や紹介で生まれた接点を、次の話につなげやすくするためのものです。
小さな製造業にとっては、Webにすべてを任せるよりも、営業や紹介と組み合わせて、新しいお客様との接点を広げることが大切なのだと思います。
小さな製造業がWebを活用するには、たくさんの人に知られることを目指す必要はありません。
大切なのは、自社の技術や考え方を必要としている相手に見つけてもらい、「この会社に一度相談してみたい」と思ってもらうことです。そのためには、Webサイトをただの会社案内として置いておくのではなく、誰に、何を、どの順番で伝えるのかを整理する必要があります。
営業や紹介だけでは出会えなかった相手に、自社の価値を知ってもらう。
それが、小さな製造業にとってのWeb活用の役割なのだと思います。
新しいお客様との接点を増やしたい。ただ、記事を書き続けたり、SNSを更新し続けたりする運用までは難しい。
そんなときは、一度「誰に、何を、どう伝えるべきなのか」を整理するところから始めてみるのも一つの方法かもしれません。
Dactiveでは、会社や事業が持っている価値を整理し、Webサイトや資料などの顧客接点へ落とし込む支援を行っています。まずは現在の状況をお聞かせください。
この記事を書いた人
株式会社ディアクティブの代表取締役、ブランド戦略プランナー。桑沢デザイン研究所卒業後、都内のクリエイティブプロダクションにて、アートディレクター・デザイナーとして12年間、広告代理店案件を中心に経験を積む。2016年に独立し、ブランディングを軸としたコミュニケーション戦略の立案に従事。2023年3月に数人のクリエイティブメンバーとともに法人化。所属メンバーは、それぞれが個人事業主として活動していた2016年からのメンバーで構成されており、会社としての実績はまだ少ないものの、チームとしての実績は多数。マーケティング・ビジネス実務検定保有
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