Project

サイトドック(SiteDock)
Webサイト診断サービス/自社サービス

背景

制作会社に相談するほどではない。でも、今のサイトについて別の意見も聞いてみたい。

サイトドックは、私たちがこれまで企業のWebサイト制作や運用に関わる中で感じてきた、ある相談のあり方から生まれた自社サービスです。

Webサイトを運用していれば、制作会社や運用会社など、すでに付き合いのあるパートナーがいる企業も少なくありません。

一方で、長く同じサイトを運用していると、「今のサイトは、このままでいいのだろうか」「制作会社からはこう言われているけれど、別の人から見たらどうなのだろう」「リニューアルするほどなのかは分からないけれど、一度客観的な意見を聞いてみたい」
そんなタイミングが訪れることがあります。

私たちがこれまで受けてきた相談の中にも、すぐに制作やリニューアルを依頼したいわけではなく、まずは現在のWebサイトについて、今のパートナーとは違う第三者の意見を聞いてみたいという声がありました。

背景にあるのは、単なるセカンドオピニオンへの興味だけではありません。

外部の制作会社にすべてを委ねるのではなく、自社でもWebサイトの状態を把握し、自分たちなりの考えを持ったうえで、これからどうするかを判断したい。つまり、Webサイトについて、自社でもイニシアティブを持っておきたいという思いです。

しかし、そのためだけに新しい制作会社へ相談するのは少し大げさです。

そこで考えたのが、制作を依頼するための相談ではなく、今のWebサイトについて第三者の意見だけを受け取れるサービスでした。
こうして生まれたのが、Webサイト診断サービス「サイトドック(SiteDock)」です。

課題整理

無料相談とは違う「約束」をつくる

Webサイトについて第三者の意見が欲しいのであれば、制作会社の無料相談を利用する方法もあります。
しかし、私たちはそこに一つの難しさがあると考えました。

たとえば複数の制作会社へ相談したとき、A社とB社とC社で異なる提案が出てくることがあります。
ある会社はリニューアルを勧め、別の会社はSEOを勧める。さらに別の会社からは広告を提案される。

それぞれに理由があったとしても、相談する側に判断するための基準がなければ、資料や見積もりが増えるほど「結局、自社はどうすればいいのだろう」と迷うこともあります。

サイトドックでは、そこに対してあえて有料にすることを選びました。

無料相談で交わされるのは、その先の制作も含めた「提案」であることがあります。
一方、サイトドックで購入いただけるのは、制作の提案ではありません。

サイトドックという第三者が、そのWebサイトをどのように見て、確認できるデータも踏まえながら、現在の状態をどう捉えたのか。その判断をレポートとして提供します。

料金を受け取る以上、その先に制作を依頼してもらえるかどうかとは切り離して、忖度なく現在の状態について伝える。
私たちは、この違いをサイトドックにおける一つの「約束」として設計しました。

サービス設計

あえて「改善提案をしない」

一般的なWebサイト診断であれば、問題を指摘するだけでなく、「こう改善しましょう」と提案される方が親切だと思います。
しかし、サイトドックでは改善提案をサービスに含めていません。それも意図的な設計です。

改善提案が欲しいのであれば、制作会社へ相談するという選択肢がありますが、サイトドックが想定したのは、その一歩手前です。

今すぐ何かを変えたいわけではない。まず現在の状態を知り、自社できちんと考えたい。
そういう企業にとって、求めてもいない改善案まで提示することは、かえって判断を急がせることになりかねません。

だからサイトドックでは、「こうした方がいい」と答えを提示するのではなく、現在のWebサイトについて私たちが感じたことを伝えるところまでに役割を絞りました。改善するか。リニューアルするか。今のまま運用するか。

その先を考え決めるのは、あくまで利用する企業自身だと思います。

診断内容

経験から見て、データで確かめる

サイトドックは、Webサイトのあらゆる項目を網羅的に採点するサービスではありません。
確認するのは、「情報整理」「一貫性」「外部からの見え方」「第一印象」「ページ構造」「信頼性」の6項目です。

この6項目は、私たちがこれまでWebサイトを企画・制作してきた経験から、サイトの状態を考えるうえで重要だと考えている視点に絞ったものです。

まず、実際にWebサイトを見ながら、「初めて訪れた人に、会社やサービスの内容が伝わるか」「必要な情報へ迷わずたどり着けるか」「ページを見ていて違和感や分かりにくさはないか」「安心して問い合わせや次の行動へ進めそうか」といったことを、制作会社としての経験や知見をもとに確認していきます。ただし、見た印象だけで判断するわけではありません。

Google Analytics(GA4)やGoogle Search Consoleのデータをご提供いただける場合は、実際にどのような検索から訪問されているのか、どのページが見られているのか、訪問後にどのような行動が起きているのかなども確認します。

たとえば、サイトを見て「この情報にはたどり着きにくいのではないか」と感じたとき、実際のユーザー行動にも同じ傾向が表れているのか。「検索する人が求めていることと、サイトで伝えていることにずれがあるのではないか」と感じたとき、Search Consoleの検索データからもその可能性が見えるのか。

制作経験から見えてくる所感と、実際のデータ。その両方を照らし合わせながら、現在のWebサイトがどのような状態にあるのかを確認していきます。

サイトドックが提供するのは、自動的に算出された点数でも、データだけをまとめたアクセス解析レポートでもありません。
これまでWebサイトをつくってきた経験から「どう見えるか」を考え、確認できるデータがあれば「実際はどうなのか」を確かめる。そのうえで、第三者から見た現在の状態を、一つのレポートとしてお伝えします。

提供方法

人に相談しなくても、第三者の意見を受け取れる

サイトドックでは、申し込みから納品まで、原則として人を介さずに完結する仕組みを採用しています。
これも、サービスの考え方から逆算したものです。利用する人が求めているのは、制作会社との商談ではありません。

自分たちのタイミングで申し込み、第三者の意見を受け取り、まずは社内で考えること。
そのため、Webサイト上でサービス内容や価格を確認して申し込み、診断結果はPDFレポートとして受け取れるようにしました。

PDFにしたのは、単に納品しやすいからではありません。
受け取った担当者だけで終わらせず、そのまま社内の会議や検討資料として共有できるものにしたかったからです。

誰かに改善を迫られることなく、自分たちのペースでサイトについて考えられる。
提供方法そのものにも、サイトドックの考え方を反映しています。

サービスの考え方を見える化する

なぜ「サイトドック(SiteDock)」なのか

サービスの役割が決まったあと、その考え方を端的に表す名前として生まれたのが「サイトドック」です。
「Dock」は、船が航海の途中で入り、点検や整備を行う場所。Webサイトも、公開して終わりではありません。

運用を続けている途中で一度立ち止まり、今どんな状態なのかを確認する。
そんなサービスの役割と「Dock」という言葉の意味が重なりました。
「Site」と「Dock」を組み合わせれば、サービスの内容を想像しやすく、音としても覚えやすい。
こうして「SiteDock」という名称が決まりました。

ただし、Webサイトの「診断」や「点検」という言葉には、どうしても堅さがあります。
専門家から細かくチェックされる。難しい分析結果を渡される。問題点を指摘される。
サイトドックが目指したのは、そうした大げさなサービスではなく、もっと気軽に、「ちょっと、うちのサイトを見てもらおう」と思えるものにしたい。そこで、サービスの印象をつくるもう一つの存在が生まれました。

「Dock」から生まれた、ゆるい犬。

「Dock(ドック)」という響きから、「Dog(ドッグ)」を掛け合わせ、犬をモチーフにしたキャラクターを採用しました。
なぜなら、Webサイト診断というと、どうしても堅く、専門的な印象になりやすい。そこで、サービスの役割は真面目に保ちながら、利用するときの心理的なハードルは下げたいと考えました。

サイトは、穏やかで、少しゆるそうな犬です。垂れ下がった耳には緊張感がなく、丸い目は警戒することなくこちらを見つめている。開いた口から少し舌がのぞき、機嫌よく過ごしているようにも見えます。

目指したのは、専門家然とした「診断する先生」ではありません。
「ちょっと見てみるね」と隣に座ってくれるような、親しみやすい存在。
サイトドックが提供するのは、私たちがこれまで培ってきた経験や知見をもとにした所感です。

だからこそ、必要以上に難しいサービスに見せるのではなく、初めて利用する人でも構えずに使えることを、キャラクターを通じても表現しました。ネーミング、キャラクター、Webサイト、レポート。

それぞれを別々にデザインするのではなく、「第三者の意見を、もっと気軽に聞ける」というサービスの考え方を、一つの印象としてつなげています。

説明を変えられないからこそ、伝え方を検証する

サイトドックのWebサイトでは、サービスの内容、診断する6項目、納品されるレポート、料金、利用の流れ、FAQなど、購入を判断するために必要な情報を整理しました。

しかし、自社サービスを実際に市場へ出してみると、Webサイトをつくることと、サービスを売ることはまったく別の難しさを持っていることも見えてきました。

営業であれば、相手の反応を見ながら説明を変えることができます。質問されれば答えられる。理解されていなければ別の言い方ができる。Webサイトでは、それができません。

訪問した人がページを見て、理解し、興味を持ち、自分に必要なサービスなのかを判断する。
そこまでを、画面上の情報だけでつくらなければなりません。

だからこそサイトドックでは、公開時につくったWebサイトを完成形とは考えず、実際の反応を確認しながら伝え方を見直していくことにしました。

サイトに「来てもらう」だけでは、売れない

公開後、Google広告による集客も開始しました。もちろん、アクセスを増やすだけで購入につながるわけではありません。
重要なのは、実際にサービスを必要としている人に届き、その人が内容を理解し、自分に必要なものだと判断できることです。

その前提で広告運用を始めましたが、実際に市場へ出してみると、想定とは異なる目的を持ったユーザーが、かなり多く訪れることが分かりました。

当初は「Webサイト 検証」といった検索ニーズも想定していました。しかし、クリックは増えても、購入にはつながらない。
そこで検索語句を確認し、どのような目的で検索している人が訪れているのかを検証。広告だけでなく、Webサイト上の説明や訴求についても見直しを重ねています。その過程で、当初想定していたターゲットも少しずつ変化していきました。

これは「最初の想定が間違っていた」というよりも、実際に市場へ出したことで、誰に必要とされるサービスなのかの解像度が上がっていったという方が近いのかもしれません。

このプロジェクトで分かったこと

つくることと、0→1を生み出すことは違う

サイトドックは現在も、私たちが運営し、検証と改善を続けているサービスです。
自社サービスを実際に市場へ出したことで、私たちにも改めて見えたことがありました。

サービスを企画した時点では、「この人たちに必要とされるだろう」というターゲットがあります。
しかし実際に市場へ出してみると、訪れる人すべてが同じ悩みを持っているわけではありません。

検索する言葉も違えば、抱えている問題も、必要性の強さも違います。
その反応を見ながら、ターゲット、ニーズ、サービス、そして伝え方を少しずつ合わせていく。

その繰り返しによって、最初に想定していたものよりも輪郭が明確になっていきます。
そして、一度0→1が生まれたからといって、そのまま1→10へ進めるわけでもありません。

誰に必要なのか。なぜ必要なのか。どう伝えれば、その人が自分のためのサービスだと判断できるのか。
それを検証し続ける必要があります。

サイトドックを通じて私たちが実感したのは、新しいサービスを形にする難しさだけではありません。
つくったものを市場へ出し、実際の反応を受け取りながら、誰に、何を、どう伝えるべきなのかを見直し続けることの難しさです。

最初から、すべての答えが分かっているわけではありません。
実際に市場へ出し、反応を見て、考え、また試す。その繰り返しによって、サービスを必要としている人や、その人に伝えるべきことが少しずつ明確になっていきます。

サイトドックは、その過程そのものを、私たち自身が経験し続けているプロジェクトでもあります。

このプロジェクトで行ったこと

これまで私たちに寄せられてきた相談から着想し、どんな人の、どんなタイミングに必要とされるサービスなのかを考える。
そこから提供する内容と範囲を決め、価格を設定し、「サイトドック」という名前をつけ、キャラクター「サイト」をデザインする。
さらに、診断レポート、Webサイト、購入導線まで一つのサービスとして形にし、公開後は実際の市場の反応を見ながら検証と改善を続けています。

サービスの考え方を整理し、名前をつけ、言葉にし、デザインし、実際に利用できるところまで形にする。
サイトドックは、Dactiveが自ら企画・運営するサービスだからこそ、その一連の過程まで取り組んでいるプロジェクトです。

サービスメッセージ

今のサイトを知ることから、はじめよう。

https://sitedock.dactive.jp/
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